@cafe 河原美花氏インタビュー

メイドカフェ「@home cafe」の創設者
河原美花氏 インタビュー

今や"萌え文化"の激震地としてすっかり有名になった東京・秋葉原。その象徴とも言えるのが20数店ものメイドカフェです。まだまだ「異質な空間」という誤解も根強いようですが、最近ではカップルや女性同士などが楽しめる、アミューズメント系カフェの認知度が上がり、その人気は一向に衰える気配を見せません。

その中でも、秋葉原に2店舗を構える「@home cafe」は平日でも常に行列が絶えない人気店で、大きな成功を収めた数少ない店と言えるでしょう。今回は、同メイドカフェを運営するサンケイプロモーションアドバンス(株)代表取締役である河原美花氏に、萌えビジネスの本質や成功の秘訣、これからのビジネスの行方についてお話を伺いました。(池田冬彦 2006/5 )


池田:いわゆる「萌え文化」は男性の発想と思うのですが、@home cafeは女性である河原さんが立ち上げた、と知ったときに少々驚きました。

河原:実は私自身「萌えビジネス」という意識があまりありません。そもそも、アニメや同人誌の世界も秋葉原の事も全く知らず、元々「萌え」と言われる世界とは無縁でしたよ(笑)

池田:店舗を立ち上げる前はどのような仕事をしておられたのですか?

河原:短大を卒業して「日本たばこ産業(JT)」に8年勤務しておりました。私は短大時代にチアリーダーをやっていて、就職してからもチアリーダーの活動をやっていました。自分たちを見てもらい、周りに心から楽しんでもらう事が好きだったのですね。そのマインドが、私を@home cafe設立に導いたのだと思っています。

01.jpgサンケイプロモーションアドバンス代表取締役、河原美花氏

池田:どのようないきさつだったのですか?

河原:会社を退職してから、人づてに紹介があって飲食店で働くことになったんです。その店は従業員教育が厳しく、お皿の持ち方や挨拶の仕方など接客の基礎からみっちり学びました。そんな事をやっているうちに「秋葉原のドンキホーテでテナントを募集しており、やってみないか?」という声がかかったのです。

池田:その時どんな店にしようと思いましたか?

河原:まず、秋葉原とはどのような街なのか、どのような店にしたらいいのか、というところから始めました。全く知らない分野に飛び込んでみよう!という、ゼロからのスタートでした。秋葉原の状況を調べていくうちに、かわいい制服を着たウエイトレスのいるカフェを作ろう、という考えが固まってきました。

池田:いつ頃のお話ですか?

河原:2004年7月です。開店予定日は来月と言われたものですから、準備期間はたった1ヶ月しかありません。すぐに募集を開始し、その間に秋葉原の調査やコスプレをテーマにする店舗を調査し、大阪や名古屋にまで足を伸ばしました。

02.jpg@home cafe秋葉原ドンキホーテ店エントランス

池田:その時どう思われました?

河原:閉鎖的であるなら開放的に、男性が多いのなら女性が来る店、などなど、もっと楽しい店を作ろう、と色々と考えました。子供連れのファミリーや女性にも支持される、もっと明るい、テーマパーク的なものです。そのためには、単に「メイド姿のウェイトレスがいる喫茶店」以上の価値を見いだす必要がありました。このように、メイドと楽しく時を過ごせる「場作り」は@home cafeの本質と言えますね。

03.jpgお目当てのメイドさんとツーショットが撮れるプリクラ
04.jpgメイドさんとのトランプゲームに挑戦中。

池田:まさに商売の基本であり鉄則ですね

河原:それには、イベントやサービスを拡充させるだけではダメです。肝心のメイドの質が低いのでは話になりません。先ほどお話した通り、私はかつての飲食店での修行時代に、接客の基礎をみっちり叩き込まれました。その経験が私のメイド教育の基礎を作ったと思います。

池田:どんな人がメイドの応募に来るのですか?

河原:変身願望が強い人が割と多いかもしれません。それ自体は問題はないのですが、自分がメイドとして給仕することに自己満足するだけでは、@home cafeのプロのメイドにはなれません。お客様にその価値を認めてもらうことが重要なのです。メイドの価値を高め、@home cafeのメイドをやっている事に誇りを感じてもらうために、メイド教育は不可欠と言えます。

05.jpg明るく華やかな雰囲気の@home cafe店内(本店)
06.jpg本店にはイベント用のステージが設けられている

池田:それがメイドのアイドル化ー「メイドル」を生み出したのですね

河原:そうですね。メイドルという言葉は私が考えたのですが、当店のメイドをみんなのアイドルにしたい、という想いが、史上初のメイドルユニット「完全メイド宣言」を生み出しました。インディーズ・オリコンチャート第二位にもランクインされました。この2月14日にはついにアルバムが発売され、当日は渋谷で「完全バレンタイン宣言 Vol.3」というワンマンライブも開催されます(注:2006年)。女の子や中学生などにも支持されてます。

池田:河原さんのビジネスはまさにメイド文化の普遍化ですね

河原:昨年はいろいろなテレビで取り上げて頂き、店の知名度も上がりました。しかし、まだまだメイドカフェ=オタクだけの空間、あるいは、風俗店などと同一視しているような誤解・偏見は多いですね。

@home cageにはカップルや女性同士のお客様がとても多く、来て頂ければそれが本当に偏見であることがわかると思います。もっと客層を広げつつ、世の必要性を高めていきたいですね。オタクと呼ばれる人たちがどんどん街に繰り出し笑顔で来れる店でもありたいです。

07.jpg本店の「hitomi」さん。「完全メイド宣言」のメンバーでもある
08.jpgドンキホーテ店の「雛姫(ひなき)」さん
10.jpgなんと、ドンキホーテ店には、メイドさんがお裁縫をしてくれるコーナーもある

取材協力:サンケイプロモーションアドバンス
本記事は、デジパホームページ「特別インタビュー」
記事を再掲載したものです。

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