KDDIに聞きました。インターネットの元栓はどこ?(2)

KDDIに聞きました。
インターネットの「元栓」ってどこ?

海底ケーブルは総延長が9000km以上にもなるため、途中で信号を増幅する必要がある。このアンプは当時、真空管が使われていたというからなんとも驚きだ。最先端の技術を駆使して特別なパーツを使い、25年以上にわたって安定動作するように設計されている。これまで経年劣化による故障で交換したことはないという。

08.pngこれが中継機。中に増幅機(光アンプ)が入っており、70kmの長旅で弱った光を再び増幅して送り出す

現在、二宮海底線中継所は、10Gbpsの容量を持つ「第5太平洋横断ケーブルネットワーク(TPC-5CN)」の陸揚げ場所となっている。TPC-5CNは95年に完成した光ファイバー海底線だ。

07.tifTPC-5CNの二宮海底線中継所への陸揚げは1993年11月に行われた。この写真は当時の陸揚げ作業の模様を収めた貴重な写真だ。(KDDI提供)

意外と新しい、海底ケーブルの歴史

しかし、考えてみると、日本の海底ケーブルの歴史はさほど古いものではない。本格的なケーブルの時代が始まったのは、同軸ケーブルから光ファイバーに移行した1995年頃からだ。それまでの国際電話回線は、通信衛星経由のものが70%、残りが海底ケーブルと、まだまだ衛星に頼っていた時代だったそうだ。

09.tifこちらは房総半島の南端、千倉海底線中継所。3つの海底ケーブルを陸揚げしている。ここは日本で最初の海底線光ファイバーケーブルが最初に陸揚げされた場所でもある

高度36000kmもの距離がある衛星を使うと通信経路は72000km以上にもなり、片道1.5秒の音声遅延が発生していたという。しかし、90 年代に入るまでは国際電話の利用者は現在ほど多くなく、かなり特別(しかも高価)な通信手段だったと言える。

光ファイバーケーブルが最初に使われたのは、3代目の太平洋横断ケーブル「TPC-3」(容量560Mbps)で、1989年に完成した。しかし、当時はインターネットの事を全く想定しておらず、「これで10年間は増強しなくても大丈夫」と考えていたそうだ。

現在、国際海底ケーブルを中継するKDDIの海底線中継所は日本全国に6箇所あり、アメリカ、韓国、中国などの海外とケーブルで結ばれている。また、これらの国際海底ケーブルとは別に、日本全国を一周する「JIH」という海底ケーブルが99年に完成し、これが日本のネットワークのバックボーンとして機能している。今や、海底ケーブルは電話、インターネット、業務用通信など、国内外の通信を支える重要な動脈となっているのだ。

●取材協力 KDDI株式会社

ネットワーク技術本部国際ネットワーク部
ケーブル計画グループリーダー 次長 戸所弘光 氏

ネットワーク技術本部国際ネットワーク部
ケーブル計画グループ 課長 成松優晴 氏

※本記事はデジパホームページ「トレンドウォッチ」に
 掲載したものを再掲載したものです。

関連リンクLinkIcon