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2011年10月06日

さよなら、スティーブ・ジョブズ

ついに、その日がきた。

僕のような、Mac雑誌などに寄稿してご飯を食べているような一介のフリーランサーでさえ、心にぽっかり穴が空いてしまったような空虚感を感じているのだから、スティーブ・ジョブズと、もっともっとゆかりの深い人達の心は今、想像を絶する深い悲しみに満ちているのだろう。

今、いろいろな人達がスティーブ・ジョブズとの思い出に浸っていることだろう。もちろん、僕もその中の1人だ。初めてソニーマガジンズの雑誌にボンダイブルーのiMacの記事を書いた時のこと。ストロベリー色のiMacが家に届いた時の事。毎月格闘していた「月刊MacPower」の記事執筆。そして、毎年楽しみにしていたMacWorld Expoの事。好きが高じていつのまにか、私はMac雑誌に数々の記事を書き、新しいMacを買い、新しいiPodやiPhoneを手にしてはスティーブ・ジョブズがまぎれもない天才であることを肌身で感じていた。

僕がスティーブ・ジョブズのことを記事に書いたことは少ない。最近書いたのは、今は無き月刊アスキーの後継雑誌「月刊ビジネスアスキー」の2009年11月号の特集だった。「アップルの謎ー業界1人勝ち、その理由」の中で書いた「成功を目指すための『切り捨て』 次のステップには犠牲も必要」「世界中を振り向かせる『プレゼン』 秘密主義とカリスマ的な基調講演で集客」「次に起きることを読み取る『先見』 目先の史上ではなく時代の動きを見る」ーといった、かつて書いた記事を読み返しながら、当時、これからアップルはどうなるんだろう、と考えていたことを想い出すのだった。

スティーブ・ジョブズの天才ぶりやその業績は、もう世界中に埋め尽くされているインターネットのWeb記事やTwitterの投稿を見れば十分だろう。誰もがきっと感じているように、彼がいなかったら今の僕はない。彼は類い希な革命家と芸術家、経営者という3つのベクトルを高い次元で融合させた、本当の天才だったに違いない。

今日、僕は銀座のアップルストアに献花に行くこともなく、追悼集会に参加することもなく、1人、家の中で、スティーブ・ジョブズのことを静かに考えている。言いたいことも書きたいこともたくさんある。同じ思いを持つ人達と語り合いたいこともたくさんある。怒濤のように駆け抜けていった90年代から今日に至るたくさんの思い出も走馬燈のように僕の頭を巡り巡っているし、この、どこにもぶつけようのない、なんとも言えない想いが、ふつふつとわき上がってくるのを感じる。

だけど今夜は、敢えて静かに。これまでの思い出に浸ろう。
さよなら、スティーブ・ジョブズ。

投稿者 ikeda : 2011年10月06日 22:56

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