ハッカーとは何者か?


 ハッカーという言葉は、元々狂信的なコンピュータマニアを称える言葉だったが、現在はコンピュータ犯罪者の代名詞として広く使われている。だが、ハッカー=犯罪者という考え方はさまざまな誤解を生む。
 もちろん、ハッカーは厳密に言えば犯罪者を指す言葉ではない。まずハッカーには、コンピュータとネットワークに造詣が深く、しばしば主要なコンピュータシステムやソフトウェアのセキュリティホールを指摘して警告を発し、我々が使っているシステムの欠陥や不備を知らしめてくれるような役割を果たす人々と、自分の技術的なスキルを試そうと不正侵入を行って悪事を働く人々とを区別することができる。
 今日では、前者をハッカー、後者をクラッカーと便宜的に呼ぶことが多いが、中には「昼はハッカー、夜はクラッカー」として活動する人もいるし、「Internet Security Systems社のようにハッカー出身の人々によって設立された会社すらある、といった具合になかなか善悪を明確に分けられない。
 また、世界中にはさまざまなポリシーを持つハッカー集団、あるいは独立系ハッカーが点在しており、一口にこれらを「ハッカー」とくくることは大変に難しい。これらの中には、ハッカーというものに憧れ、さまざまな地下ツールを見よう見まねで使う「見習いハッカー」から、極めて高度なサイバーテロを実行可能な「サイバーマフィア」まで、その技術レベルも相当な開きがある。
 このようなハッカーを取り巻く状況は、日本では一部の人々にしか理解されておらず、また、必ずしも今日的な意味でハッカー/クラッカーを明確に分けることができないという点を考慮し、本サイトでは敢えて「ハッカー」という言葉に統一している。この言葉には、ハッカーに憧れつつ不正行為を行なうハッカー予備軍(またはクラッカー予備軍)をも敢えてハッカーと記述している。