個人情報流出 CASE 4:
企業が個人情報を売り渡すこれは、インターネットが普及する前から半ば公然と行われていることだ。ある出版社が主催したIT系セミナーに応募した人の氏名、住所などが書かれた名簿が、あるコンピュータベンダーやソフトベンダーに幾ばくかのお金で流されていたり、あるオンラインショップで買い物をした人の個人情報が「××購入者リスト」という名前で他の企業に流される、ということは日常茶飯事だ。
たとえば、コンピュータをオンラインショッピングで購入したユーザーの自宅に、クレジットカード会社から勧誘のダイレクトメールが届いたり、フィットネスクラブの勧誘が郵送される、ということは既に現実のものとなっている。このように、全く業種の違う企業間であっても名簿を売買するのは当然のことで、ユーザーにとって自分の個人情報がどのように企業間を渡り歩いているのか、全く把握できない状態になっているのだ。
また、インターネットではショッピングサイトや会員制サイト以外にも、個人情報を収集する仕掛けを作っているところがたくさんある。たとえば、テレビを見ていると『毎月抽選で××が当たる!』などとプレゼントキャンペーンをCMで放送していることがある。応募してしまえば、あとは氏名や年齢、職業、住所などの個人情報が企業内のデータベースに収集され様々な資料として使われてしまう。それにもかかわらず、応募者には個人情報を提供しているという意識がない。
注意すべきなのは、こうした仕掛けをインターネット上に展開するサイトである。たとえば、プレゼントキャンペーンを展開するサイトや、アンケートを集計している企業サイトのほとんどは、こうしたマーケティングツールをインターネット上に展開している。このようなページで氏名や住所などを送信すると、その個人情報はコンピュータのデータベースに瞬時に記録され、知らぬ間によその企業に流れていく。
このような個人情報の流出は、アメリカでは既に大きな社会問題となっている。インターネット広告代理店最大手のDoubleClick社は、1100社のカタログ販売業者の購買情報を所有するAbacus社を1999年11月に買収し、同社が広告を展開するサイトを訪れたユーザーに対して購買情報データと照合、つまり匿名のCookieデータと個人情報が記載される購買情報を合併させ、個々のユーザーごとに最適と思われる広告を表示させようとして、消費者団体などから強い反発を受けている。DoubleClick社はCookieという仕掛けで個人情報を収集しており、プライバシー保護団体であるEPICが2000年2月、同社のユーザーデータの収集に関する苦情を連邦取引委員会に申し立てている。
このように、インターネットの個人情報は、どの会社がどのように使うのか我々の知る由もない。個人情報はお金になるのだから、無自覚に住所や実名、家族構成や趣味などを自らの意志で送信した以上、現状ではそのデータがどこでどのように使われても仕方がないと諦めるしかないワケだ。[対策] 個人情報の取り扱いが不明確なサイトには自分の情報を提供しない
ガイドラインを熟読の上個人情報を提供する日本では個人情報に関する取り扱いが不明確な企業が多い中、Webサイトでガイドラインを明示しているところもある。我々は少なくとも、こうしたページに書かれた情報を熟読した上で、サイトに個人情報を提供するべきだ。だが、残念なことに多くのサイトでは、このような記述をトップページから探すことが簡単にできないものもあるので、サイトマップやページ内検索を利用して丹念に調べることが必要だ。
また、このようなガイドラインをよく読んでみると、何らかの形で個人情報を他社に提供することを唄っているものが大半を占める。たとえば、「他社からの製品、サービス情報提供の提供を希望する」というチェックボックスをページに設け、このチェックボックスがオンになった状態で送信すれば、その情報を他社に渡すことを承認したものとみなすシカケを作っているものや、他社に情報を渡すことが記された会員規約に同意したという前提でオンラインサービスを利用するようになっているものなど、さまざまなものがある。
こうした状況で本当に個人情報を流出させないようにするには、それを提供しなければ利用できないサービスを利用しない、という方法しか残されていない。どうしても利用しなければならないときは、少なくとも個人情報に関するガイドラインを明記したサイトのみに限定して利用するべきだ。